Sokratesさんの備忘録ないし雑記帳

ブログは同人誌の一種だと思って書いてる.書きたいことを書いている.駄文注意.

もしもあなたがインチキ数学本を出版したなら......

Twitter で次のようなアンケートを取った.


この記事ではこのクソアンケートの結果について述べる.

アンケートの背景

このクソアンケートを取った背景について述べる.

このクソアンケートは次の騒動がきっかけである.
togetter.com
「確率」についてご指摘いただきました|深沢真太郎 ビジネス数学教育家/数字に強い人材・組織をつくるプロフェッショナル|note

ものすごくざっくりまとめると次のような騒動である.

  • 日本ビジネス数学協会の代表理事(以下H氏)の書いた本に誤りがあった
    • その誤りというのが小学生向けの啓蒙書 目からうろこ 小学生の「さんすう」大疑問100 に書いてあるレベルの誤りであった
      • 具体的には「『結婚できる』か『結婚できない』かという2通りのうちの1通りだから,結婚できる確率は1/2である」という「誠実な誤り」とは考えにくいものである
  • その本の著者は修士号(理学)を持っている
    • その割には上記が誤りであるという指摘が理解できていない
      • なんだったら「確率とは(事象の元の個数)/(全事象の元の個数)と常に定められる」と本気で思っている節がある
  • 著者本人が言うには「七年前」の本らしい
    • 上記のようなレベルの誤りが7年間も放置されていたという衝撃の事実
  • 日本ビジネス数学協会は,公益財団法人 日本数学検定協会(いわゆる数検を開催している団体)が発効する「ビジネス数学インストラクター」なる資格取得者の育成を行っている
    • 日本ビジネス数学協会の会員は,代表理事の書いた本にあのレベルの誤りがあったことを7年間も放置していたまたは気が付かなかったとでもいうのか?

問題点が多すぎる…….どこから突っ込めばよいのかわからない…….
この件についてはいつかどこかで別の記事にまとめようかとは思う.

ともかく,この件で次の事実に気がついてしまった.

あれ?! まともに数学するよりインチキでもいいから売れる本を書いたほうが生活が豊かになるのでは?!

はい,そんなわけでね,自分が闇落ちしたときのためのシミュレーションのためのアンケートです.こんなクソアンケートを取ったことについては後悔している.反省は特にしていない.

アンケートの質問文について

で,「『インチキ』と書いておけば,『誠実な誤り』ではないと通じるだろう」と思っていたのですが,「誠実な誤りだったらどうするんだ」という反応もあったので,その点については反省しています.ごめんなさい.
ただ結果を見る限り,そう読んだ方は回答者には少なかったようです.「誠実な誤り」をしていたなら,「無視」「ブロック」はしないでしょうからね…….
言い訳はするかもな.

アンケートの選択肢について

まぁ,そんな文脈のクソアンケートなので,選択肢は当然闇落ちマンの選択肢です.

  • 無視
  • ブロック
  • 言い訳(長文)
  • その他

という4つを用意し,二日間回答期間を設けました.
「その他」の回答についてはその具体的な内容をリプライで送ってもらうようにお願いしました.

アンケートの結果について

思っていたよりも多くの方が回答してくださり,最終的には352票集まりました.それぞれの選択肢についてコメントしたいと思います.

えっ?分析?そんなもんしねぇよ?クソアンケートだぞ?これを分析して何についての結果を得たいんだ?目的のない分析はしないです(目的のないアンケートをとったやつの言うことではない).

「無視」という選択肢

パーセンテージ的には一位にやはり来ましたね.まぁ,順当です.「インチキ数学本」で儲けようとしているわけですから,「内容に誤りがある!」と言ってくるやつは商売上の障害です.クレーマーなのです.仮に相手が正しかろうが関係ありません.
相手が何を言ってこようが無視が一番です.

亜種として

  • 「お忙しいところ,ご指摘ありがとうございます」といって何もしない

というものがありました.事実上の無視ですね.ここで「出版社と協議中です」と一言入れておくと,誠実に対応しているように見せられて完璧です!!

「ブロック」

「ブロック」は気持ちはわかりますがやりすぎかもしれません.ブロックは能動的な行為なので「攻撃」とみなされる恐れがあります.「ブロックしたということは故意にインチキ数学を広めようとしている!」などと騒がれて本の悪評を垂れ流されたらたまったもんではありません.

「ブロック」を使うのであれば,「自分は被害者」と演出をする必要があるでしょう.この場合同情した人が本を買ってくれるかもしれません.ただし,よほどうまく演出しないと,ボロがでてインチキがバレます.

または日頃から「ブロック」を乱発し,「え,おれブロックは呼吸だからよ」と演出をしておくのもベターです.そういう空気を作っておけば「ブロック」はあなたにとっては「呼吸」であって,「攻撃」ではありません.場合によっては「えー,なんかわかんないけどブロックされてるー」と勝手に潜在的な敵たちが宣伝に協力をしている可能性があります.まぁ,それで集まった人が本を買ってくれるとは思いませんが.

いずれにせよ「ブロック」は上級者向けの技です.おすすめはできないです.

「言い訳(長文)」

個人的にはこれが正解の選択肢でした.だって,傍から見たら一番面白いもん. 性格が悪い?すいません.
でも,長文でセンソーしてたらワクワクするだろ……?(普通はしないよ)

ただ,ビジネス的には下策です.長文の言い訳でわけがわからない状態にして言いくるめるというのはかなりの高等テクニックです.よほど話術に自身がない限り,とるべきではありません.
そもそも,「数学のプロ」というのは詭弁に敏感です*1.本気の数学のプロを彼らのホームグラウンドである「数学」において,言いくるめるのは至難の技です.

もちろん,言いくるめることができれば,リターンもでかいです.プロに勝ったんですから.それだけで宣伝になります.ハイリスクハイリターンの戦略です.

その他の答え

その他として寄せられた回答を紹介します.

  • 謝罪して訂正
    • 思っていたよりも多く寄せられました.人の道としては完全に正しいです. 悪いことをしたら謝る当然のこと.ビジネスとしては失敗するかもしれませんが,信用を得られます.一番幸福になれる道かもしれません.ただし,謝罪・訂正の仕方に注意しないと再燃焼してしまい,結果的に信用も失いかねないので,覚悟しましょう.
      • というかまともな学術者だったらこれ一択なんだよな.そもそもまともな学術者「インチキ本」は書かないか.うっかり「誤ったこと」を書くことはあるだろうが.
  • 小さなものであれば,次の版でしれっと訂正.大きなものであれば絶版にしてなかったことにする.
    • 「なかったことにする」はおもいつかなかった.たしか,正式に絶版するのは結構条件が厳しかったはずなので,そのへんは出版社が協力してくれるかによりそうですね.
  • 「私は0=1を仮定していますので問題はありません」
    • 嫌いじゃないよ
  • 被害者ムーヴ
    • ???「大学のセンセーがあたしをいぢめるんです!!!あたしを中傷したお前らを訴えてやる!!!!!」
  • 黒棺を完全詠唱する.
    • 「滲み出す混濁の紋章、不遜なる狂気の器、湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる 爬行(はこう)する鉄の王女、絶えず自壊する泥の人形、結合せよ、反発せよ、地に満ち 己の無力を知れ 破道の九十・黒棺」
  • 「さすがプロ!」って煽る
  • 「あなたのやってる数学と一緒にしないでください」
  • 「この本は正しいことしか書いてないなんて言ってません」
  • 「信じる方が悪い」
  • 「その調子で間違っているところ全部教えてください」
  • 「笑」
  • ゲーデル不完全性定理で数学は不完全だから」
    • これらすべて同一人物からの回答です.クソ回答7連発!!すごい!!!趣旨をわかっていやがる!!!!!と回答をもらった時点では無邪気に喜んでいたんですがね…….まさかあんなことになるとは…….

まさかの「正解」が出てしまった……

今回のアンケートで最大の誤算はまさかの正解が出てしまったことですよ……

「確率」についてご指摘いただきました|深沢真太郎 ビジネス数学教育家/数字に強い人材・組織をつくるプロフェッショナル|note でこのアンケートのきっかけを作った H 氏は次のように述べています.

私は数学はひとつではなく、「◯◯数学」なるものがたくさん存在するといいなと思っています。そのどれが正しいか間違っているかということよりも、学ぶ側に様々な選択肢があることを豊かに思えるといいなと。

そう思って、(なかなか共感はされないかもしれませんが)私は私なりのビジネス数学を広めていこうと思っています。ビジネスの世界では絶対はなく正解もない。だから絶対も正解もない数学もあっていいのではと。

えーと,まとめると「あなたのやってる数学と一緒にしないでください」ってことでいいっすか.まさか「絶対も正解もない数学もあっていい」と言ってくるとは…….すくなくとも間違っている数学は使い物にならないと思うんですけどね.

そんなわけで.

「あなたのやってる数学と一緒にしないでください」を回答として提出した R くんの優勝です!!!
(アンケートで優勝とは)

総括

どうも H 氏は素でわけのわからんことを書いていた*2ようで「インチキ数学本」を出すつもりはなかったようですが,結果的にこのクソアンケートの回答にほぼ同じ回答がありまいました.かなしい事件だったね.

この記事の結論ですがこんなクソ記事読むより,みんな数学書を開こうぜでよろしくおねがいします.みんな闇落ちすんなよ!!!

参考文献など

目からうろこ 小学生の「さんすう」大疑問100

目からうろこ 小学生の「さんすう」大疑問100

  • 作者:仲田 紀夫
  • 発売日: 1999/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

子供の頃大好きで毎日持ち歩いていました.どこへ行くにも一緒でした.もしかしたら,わたしの原点はこの本かもしれません(その割に今この本が家のどこにあるか覚えていない).
ところで,この本,最近書店で見かけないのだが絶版になってしまったのだろうか……?

問題となった H 氏の本
たった9時間でSPIの基礎が身につく!! <2021年度版>

<追記 2021.3.4>
該当する書籍の内容についてお詫びと訂正について出版社と協議いたします。配信型授業の中で類似した内容の言及をしておりますので次回の配信にてお詫びと訂正をする予定です。自身の勉強不足により初学者向けの媒体で正しくない情報があったことに関しましては責任を感じております。ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

「確率」についてご指摘いただきました|深沢真太郎 ビジネス数学教育家/数字に強い人材・組織をつくるプロフェッショナル|note には書いてあるので手に入れるなら今のうちです.というか類似した内容の言及を最近もしているなら「7年前」って言わなければいいのに…….
「7年前のミスにガタガタ言いやがって…….面倒な連中だな…….」と受け取れるぞ.単に「私の著作にミスがあったようです.事実関係の確認をした後,対応させていただきます.この度はお騒がせして申し訳ありません」と言うのがビジネス的には正解だろうよ…….

*1:まぁ,数学から離れたら,そうでもないことも多い節はありますが.

*2:なんで,そんなやつがビジネス数学インストラクター制度を立ち上げることができたのかは完全に謎.