Sokratesさんの備忘録ないし雑記帳

ブログは同人誌の一種だと思って書いてる.書きたいことを書いている.駄文注意.

【備忘録】数学英語文書まとめ

この記事は さいえんSlack Advent Calendar 2020 - Adventar の 25 日目(最終日)の記事です.24 日目は Tomoki UDA さんの担当でした.
さいえんSlackは Slack を中心に活動している科学に興味がある人のためのゆる〜いコミュニティです.詳しいことは以下のリンクを参照してください.
scienslack.github.io

この記事では英語で数学についての文章を書くための How to 文書で役に立ったり有名だったりするものを備忘録を兼ねて紹介する記事です.基本的には修論や博論,投稿論文などを書く際に参考になるものを紹介していきます.参考になれば幸いです.

1. 英語一般

英語一般についての文書で文章を書くときに参考になったものを紹介します.

[1.1.] 徹底例解ロイヤル英文法 改訂新版

高校生にもおなじみの文法書ですね.すこしでも怪しいところがあるたびに開いています.最近,持ち歩くのがしんどくて,電子版を紙版とは別に購入しました.これは正解で,文字列検索できるようになって効率が上がりました.

[1.2.] 【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版

【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版

【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版

知り合いに誕生日プレゼントをねだったら買ってもらえました.定評のある英英辞典です.とても役に立っています.語法が怪しかったらまずこの辞書でそのような語法があるかを調べてから使っています(念の為,Google 検索もかけますが).

2. 科学英語一般

この節では科学英語一般についての How to 本を紹介します.科学英語独特の慣習や科学英語だと許される表現などがあるので,上とは別で使っています.

[2.1.] English for Writing Research Papers (English for Academic Research)

English for Writing Research Papers (English for Academic Research)

English for Writing Research Papers (English for Academic Research)

最近新版が出たようで,表紙のデザインが変わっていてびっくりしました.私は下のようなバージョンを持っています.また,日本語訳も出ていてそちらも持っています.現題に比べるとタイトルがちょっとアレな感じなのはご愛嬌.医学系の論文からの引用が多いような気がしますが,論文全体の構造などについてはこれがとても参考になりました.最後に科学論文で使える表現集がまとまっているのも使いやすいです.

[2.1.1.]English for Academic Research: Grammar, Usage and Style: Usage, Style, and Grammar

上の姉妹編で主に文法や語法にフォーカスが当てられています.語法に迷ったときなどにたまに参照します.

[2.2.] 理科系のための英文作法―文章をなめらかにつなぐ四つの法則 (中公新書)

いろんなところで取り上げられて有名になっている本と若干タイトルが似ていますが,違う本です.こちらも名著で,特に第一章は接続詞に悩んだときにとても参考になりました.ただ,「"Thus" を頻繁に使うべきではない」など数学英語とは相容れない部分があることに注意して読まなければなりません.

[2.3.] 英語論文 すぐに使える表現集

たまに参照します.日本人が書いているので,「これ英語だとどう表現するんだ?」となったときに助かります.

[2.4.] 理系のための英語論文執筆ガイド―ネイティブとの発想のズレはどこか? (ブルーバックス)

たまに目を通すと勉強になります.
[2.4.1.] 間違いだらけの英語科学論文 失敗例から学ぶ正しい英文表現 (ブルーバックス)
これも合わせて読むと面白いです.

3. 数学英語

この節では数学英語一般についての How to 本を紹介します.科学英語の中でも数学英語は独特のようで,一般に科学論文だとやめるように言われることが許容されるので,たまに戸惑います*1

[3.1.] 数学のための英語教本: 読むことから始めよう

最近出た本ですが,すでに名著の風格があります.テキスト型の構成の本なので,頭から一節ずつ読むことを推奨します.巻末には数学英語表現早見表もついているので便利です.もっと早く出版してほしかった……

[3.2.] 数理科学論文ハンドブック―英語で書くために

図書館で偶然見つけたのですが,辞書的に使うならこっちのほうが良いかもしれません.原著の新版が最近出たようです.

Handbook of Writing for the Mathematical Sciences

Handbook of Writing for the Mathematical Sciences

[3.3.] Mathematical Writing (Springer Undergraduate Mathematics Series)

Mathematical Writing (Springer Undergraduate Mathematics Series)

Mathematical Writing (Springer Undergraduate Mathematics Series)

  • 作者:Vivaldi, Franco
  • 発売日: 2014/11/18
  • メディア: ペーパーバック
用例が多く載っているので,便利です.

[3.4.] A Primer of Mathematical Writing: Being a Disquisition on Having Your Ideas Recorded, Typeset, Published, Read, and Appreciated

まだきちんと目を通せていませんが名著だそうです.第二版のプレプリントarXiv にあがっています.
[1612.04888] A Primer of Mathematical Writing, Second Edition

[3.5.] 数学版 これを英語で言えますか? Let’s speak Mathematics! (ブルーバックス)

数式の読み方が書いてある本です.数式を英語でわざわざ読み上げることが稀なので,ほとんど使ってません.英語で発表するときにもしかしたら使うかも?

4. 組版関連(LaTeX 関連)

この節では数式の出てくる文書独特の組版事情に関連する文書,また数式組版をするためによく使われる LaTeX に関連する文書を上げます.組版というのはざっくり言うと文書にするときの文字や記号の並べ方のことです(ここで詳しい人に刺される).数式の組版には独特の慣習,規則がありますので,それに従わなくてはなりません.

[4.1.] 小田忠雄,「数学の常識・非常識—由緒正しい TeX 入力法」,数学通信, 第 4 巻第 1 号, 1999 年 5 月, pp.95–112.
ありがたいことに東北大学が無料で公開をしてくれています(合法のはずです).http://www.math.tohoku.ac.jp/tmj/oda_tex.pdf
必要最低限の組版ルールの解説がされているので,これを読むだけでもだいぶ LaTeX のコードがきれいになります(OHP とか時代に合わない話も載ってしまっていますが).

[4.2.] Michael Downes, Barbara Beeton,"Short Math Guide for LaTeX"
AMS のパッケージを使うための注意事項が書いてあります.AMS のパッケージを使わずに数学についての文章を書くことはまず考えられないので,読んでおくべきだと考えられます.TeX Live を使っている方は Power Shell やターミナルで

$ texdoc short-math-guide 

とすればいつでも読めます.texdoc というコマンドについては,LaTeX 初心者が一番知るべきただ一つのコマンド - Sokratesさんの備忘録ないし雑記帳という記事で以前紹介をしました.

[4.3.] [改訂第8版]LaTeX2ε美文書作成入門

[改訂第8版]LaTeX2ε美文書作成入門

[改訂第8版]LaTeX2ε美文書作成入門

かの有名な美文書作成入門です.「LaTeX の入門書で良いものは?」と聞かれたら,ほとんどの人はこれを挙げる気がします(たぶん).最新版まだ読んでないんですけどね……

[4.4.] 独習 LaTeX2ε

独習 LaTeX2ε

独習 LaTeX2ε

某 W くんから誕生日プレゼントにもらってすごい助かっています.LaTeX 関連の書籍で一番わかりやすい本ではないかと思います(ただし,わたしにとっては).大概,変なところで詰まったらだいたいこれを見ると解決します(マニアックなことしない限り).

[4.5.] 数式組版

数式組版

数式組版

  • 作者:木枝 祐介
  • 発売日: 2018/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
数式組版についての唯一の和書である説……
読んでいるとたまに悪い例と良い例の違いがわからなくて発狂するときがあります.数式組版の深さを感じるための本です.

*1:この関連で最近私の周りで話題になったのが慣用句 "such that" です. "A such that B" で 「B を満たす A」を表現することが数学ではよくあります.しかし,この用法は一般的な辞書・文法書には見られない用法です(少なくとも私の手元にあるもので書いてあるものは確認できなかった).数学英語独特の表現ではないかと推測されます(確証は持てませんが).