本当かどうか知らないが一部のネット上の記事などによると"wwwww"という文字列は”which was what we wanted”の省略という扱いで「証明終了(Q.E.D.)」のマークとして使えるらしい(たとえば:https://www.wordsense.eu/WWWWW/).草.
ということで,LaTeX 文書で証明終了のマークとして🌿を使えるようにするための方法を書く.
先行研究(2023/6/10 追記)
LaTeX 文書で証明終了のマークを変更する先行研究として,証明終了のマークとして⛄を使う機能が scsnowman パッケージには存在することが知られている*1.
実は、皆さんおなじみの scsnowman パッケージには
— 某ZR(ざんねん🙃) (@zr_tex8r) 2023年5月19日
「証明終了の記号を赤マフラーのやつにする」
という機能(\makeqedsnowman 命令)が存在する(素敵☺)#TeX #TeXLaTeX #ナントカ pic.twitter.com/UVPQWa50pD
残念ながら,証明終了のマークとして🌿を使うためのパッケージはまだなさそうなので,自前で定義する必要がある.
証明終了のマークとして🌿を使う方法
🌿を証明終了マークとして用いる手順は次のとおりである.前提として,普段 amsthm パッケージを用いて文書作成をしている人向けに書いてある*2.
- bxcoloremoji パッケージを使えるようにする.
- このパッケージの設定方法は https://github.com/zr-tex8r/BXcoloremoji を参照のこと.
- 雑に説明すると
$TEXMF/tex/latex/BXcoloremoji
に git clone すればよい.
- プリアンブルに次を追加する.
\usepackage{bxcoloremoji} %絵文字を使えるようにする \renewcommand{\qedsymbol}{\coloremoji*{🌿}} % qed マークの置き換え(amsthm パッケージ依存に注意)
🌿を🪴にすれば🪴が証明終了のマークになる.
実際に書いてみたもの
上記の設定をした上で,実際に証明を書き,出力した結果が以下である.
実際のpdfファイルは以下に置いてある.
https://sokratesnil.github.io/pdfs/wwwww.pdf
参考にしたもの
- amsthm のドキュメント
- bxcoloremoji のドキュメント BXcoloremoji/bxcoloremoji-names.def at master · zr-tex8r/BXcoloremoji · GitHub
*1:などといけしゃあしゃあと書いているが,この記事の初稿の時点では知らなかった.知らせてくださった某ZRさんには感謝申し上げます.(2023/6/10 追記)
*2:amsthm パッケージ使わずに LaTeX ファイルを書く人はもはや少数派だと思うので、使ってない人は使ったほうが良いと思う。ちなみに似たようなパッケージとして theorem パッケージが紹介されることがあるが、theorem パッケージの作者自身が「amsthm パッケージを使え」と言っている。そのため、現在においては、theorem パッケージは基本的にもう使わない方が良いと考えられる。https://www.ctan.org/pkg/theorem