Sokratesさんの備忘録ないし雑記帳

思考の流し台. 駄文注意. 数学以外の話も多い.

【備忘録】数理論理学・数学基礎論の本

 論理学・数学基礎論の本を並べてみた. たぶん, 有名どころはほとんど網羅できているはず(2016年10月4日最終更新). 

0. 一般書

 一般書と書いたが, 数理論理学の一般書ってあまりない. 強いてあげるならというニュアンス. 

新装版 集合とはなにか―はじめて学ぶ人のために (ブルーバックス)

新装版 集合とはなにか―はじめて学ぶ人のために (ブルーバックス)

 

  みんな大好き, 竹内先生の集合論の入門書. 最初の方は初学者にもわかりやすく丁寧に書いてくれている.

 だが, 最終章周辺は明らかにテンションの上がった竹内先生の高度な思考が垂れ流されているので, その辺りの話題を初学者は理解しようと思って読んではいけない(最初の方の優しかった竹内先生はどこ? ってなる). その辺りは完全にタイトル詐欺である.

 第4章までこの本を理解出来たら, 下の集合論の入門書のどれかを一冊読んで, 戻ってこの本を読むのが良い気がする. 

  • 照井一成『コンピュータは数学者になれるのか?』青土社 

  一般書のくくりにしたけど, 明らかに一般書の範疇を超えた内容を扱っている. これどの層を想定して書いたのかわからないけれど, 好きです//////

  •  Σ. χ. 『日曜数学者のための命題論理入門C0H』暗黒通信団 
日曜数学者のための命題論理入門C O H

日曜数学者のための命題論理入門C O H

 

 例の怪しげな出版団体から出ている本. たぶんこの世で一番安い論理学の本.  

 著者名は「すーひ」と読むらしい(たぶん, Xはギリシャ文字χのつもりなんだろう). 

 一応, 数学的にはキチンとしている気がするが, 変な本なので一般書のくくりにしておく.  

1. 入門書

  • 鹿島亮『数理論理学』朝倉書店
数理論理学 (現代基礎数学)

数理論理学 (現代基礎数学)

 

  概説をつかむのにはちょうど良い本. 最初に手に取ったLogicの本だった気がする. いろいろなLogicの話題のおいしいところをつまみ食いできる. ただ, 数学の人が読むには読みにくいところがちらほらあるかも. 

数理論理学

数理論理学

 

  和書では一番, 1階述語論理の形式体系周りの話題が豊富な本. ヒルベルト体系と自然演繹体系とシークエント体系の関係がこれほどコンパクトにまとまっている本はこの本以外知らない. 

ゲーデルと20世紀の論理学(ロジック)〈1〉ゲーデルの20世紀

ゲーデルと20世紀の論理学(ロジック)〈1〉ゲーデルの20世紀

 

 

ゲーデルと20世紀の論理学(ロジック)〈2〉完全性定理とモデル理論

ゲーデルと20世紀の論理学(ロジック)〈2〉完全性定理とモデル理論

 

 

ゲーデルと20世紀の論理学 3 不完全性定理と算術の体系

ゲーデルと20世紀の論理学 3 不完全性定理と算術の体系

 

 

ゲーデルと20世紀の論理学 4 集合論とプラトニズム

ゲーデルと20世紀の論理学 4 集合論とプラトニズム

 

   通称4色ゲーデル. いろいろコンパクトにまとまっている. 1階述語論理の完全性定理の証明が独特なので, 入門書として適確かは不明. コンパクト性定理の証明を完全性定理を経由しないで証明しているのをこのシリーズで初めて見た. 

  • Joseph R. Shoenfield, ``Mathematical Logic'', CRC Press
Mathematical Logic

Mathematical Logic

 

 古い本. Set theoryらへんはもう使い物にならないって聞いた. でも, おぉってなること多いからじっくり読んでる. 後, 田中一之先生はこの本がものすごい好きらしい. 

  • H.Enderton, ``A Mathematical Introduction to Logic''
A Mathematical Introduction to Logic

A Mathematical Introduction to Logic

 

  アメリカの標準的なLogicの教科書らしい. それ以上詳しくは知らない(誰か誕生日プレゼントにくれ).

  •  Kenneth Kunen, "The Foundation of Mathematics", IfColog
The Foundations of Mathematics (Studies in Logic: Mathematical Logic and Foundations)

The Foundations of Mathematics (Studies in Logic: Mathematical Logic and Foundations)

  • 作者: Kenneth Kunen
  • 出版社/メーカー: College Publications
  • 発売日: 2009/09/08
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 数学基礎論って要は数理論理学のことじゃないかと思っているので, ここに. 

 ベットで横になりながらだらだら読んでいる. 

 また, この講演のタイトルの元ネタが載っている. 

sokrates7chaos.hatenablog.com

  最近, 日本語訳も出た. 

キューネン数学基礎論講義

キューネン数学基礎論講義

 

 

2. 不完全性定理

 不完全性定理周りは悪書がともかく多い. 

 ひどすぎるわりに有名なやつはいくつか晒していくことにする(まじめな初学者の混乱を防ぐため). 

 不完全性定理周り悪書リスト(2016年10月4日最終更新)

  • 竹内薫不完全性定理とはなにか』講談社
    • 明らかに必要最低限のことも理解できていないまま書いている. ベン図をわざわざ書いてストラクチャを定めず真偽を議論し始めた瞬間, この本をぶん投げた. 有名なサイエンスライターの本だが, こういう悪質な本を書くのはいかがなものかと思う. 

 以上

以下はまともな本. 

不完全性定理

不完全性定理

 

  不完全性定理周りの決定版らしい. 著者と話したことがあるがいい人でした. いろいろあって, 手に入れそびれている(誕生日ry).

3. モデル理論

 かなり重要な分野のはずだが, 僕の不勉強で一冊ぐらいしか知らない......

 (申し訳ない

  •  David Marker, "Model Theory", Springer New York
Model Theory : An Introduction (Graduate Texts in Mathematics)

Model Theory : An Introduction (Graduate Texts in Mathematics)

 

  モデル理論の定評のある教科書らしい. 

4. 集合論

  • K.Kunen, ``Set Theory'', IfColog
Set Theory (Studies in Logic: Mathematical Logic and Foundations)

Set Theory (Studies in Logic: Mathematical Logic and Foundations)

 

  公理的集合論の本. または, 強制法(Forcing)の本. 最近版が変わって内容がいくつか入れ替えられたらしい. 

 旧版は日本語訳が出ている. 

集合論―独立性証明への案内

集合論―独立性証明への案内

 

 誰かこの本のゼミ一緒にやろ♡

4. 様相論理

数学における証明と真理: 様相論理と数学基礎論

数学における証明と真理: 様相論理と数学基礎論

 

 通称「黒い本」. 数学基礎論サマースクール2015の講演内容をまとめた本. 「エキサイティングなModal Logicの世界にようこそ!」という空気を感じられる. 真理論周りが特に面白かった. 

  •  M. J. Cresswell, G. E. Hughes, "A New Introduction to Modal Logic", Routledge
A New Introduction to Modal Logic

A New Introduction to Modal Logic

 

  様相論理の教科書. 読まなきゃ......

5. 周辺領域

 

おまけ

 この記事を以下の記事で紹介していただきました*1. ここに書いてある本以外にもいくつか論理学の本が上がっているので, 興味がある方は覗いてみるとよいと思います. 

mathcafe-japan.hatenadiary.com

*1:というか, この記事自体, 数学カフェさんのTwitterでのつぶやきをきっかけに書くことを思い立ちました.