Sokratesさんの備忘録ないし雑記帳

ブログは同人誌の一種だと思って書いてる.書きたいことを書いている.駄文注意.

【備忘録】数理論理学・数学基礎論の本

 論理学・数学基礎論の本を並べてみた. たぶん, 有名どころはほとんど網羅できているはず(2021年1月2日最終更新). 謎のリンク切れなどを修正した(2021年1月2日追記).

0. 一般書

 一般書と書いたが, 数理論理学の一般書ってあまりない. 強いてあげるならというニュアンス.

共立出版の人とお話をする機会があってその時に目を通してみてと言われた本. かんどころシリーズのコンセプトとして「入門書の入門」みたいなものを作りたいらしく, まさにそんな感じの本.

「これだけじゃ(素人目に見ても)圧倒的に足りない. でも何を勉強したらよいかの道しるべにはなる」というのがざっと目を通した感想. 詳しいことは他書に譲りまくっているので, この本だけ読んでも数理論理学は全然わからない(「わかる」とは何かという話もあるが)と思う. 漠然と「数理論理学」がやりたいと思う人が道しるべに読んで「ここを深く知りたい!」となった話題を参考文献で詳しくやるという使い方が最適解だと思う.

こういう本, 自分がB1のときに欲しかった......

  •  竹内外史『集合とは何か』講談社 

     みんな大好き竹内先生の集合論の入門書. 最初の方は初学者にもわかりやすく丁寧に書いてくれている.が, 最終章周辺は明らかにテンションの上がった竹内先生の高度な思考が垂れ流されているので, その辺りの話題を初学者は理解しようと思って読んではいけない(最初の方の優しかった竹内先生はどこ? ってなる). その辺りは完全にタイトル詐欺である. 第4章までこの本を理解出来たら, 下の集合論の入門書のどれかを一冊読んで, 戻ってこの本を読むのが良い気がする. 

  • 照井一成『コンピュータは数学者になれるのか?』青土社 

  一般書のくくりにしたけど, 明らかに一般書の範疇を超えた内容を扱っている. これどの層を想定して書いたのかわからないけれど, 好きです//////

  •  Σ. χ. 『日曜数学者のための命題論理入門C0H』暗黒通信団  

 例の怪しげな出版団体から出ている本. たぶんこの世で一番安い論理学の本.  

 著者名は「すーひ」と読むらしい(たぶん, Xはギリシャ文字χのつもりなんだろう). 

 一応, 数学的にはキチンとしている気がするが, 変な本なので一般書のくくりにしておく.  

1. 入門書

  • 鹿島亮『数理論理学』朝倉書店
数理論理学 (現代基礎数学)

数理論理学 (現代基礎数学)

  • 作者:鹿島 亮
  • 発売日: 2009/10/01
  • メディア: 単行本
 

 

  概説をつかむのにはちょうど良い本. 最初に手に取ったLogicの本だった気がする. いろいろなLogicの話題のおいしいところをつまみ食いできる. ただ, 数学の人が読むには読みにくいところがちらほらあるかも. Cut 除去定理の証明はこの本で学んだ.

数理論理学

数理論理学

  • 作者:戸次 大介
  • 発売日: 2012/03/01
  • メディア: 単行本
 

   和書では1階述語論理の形式体系周りの話題が最も豊富な本. ヒルベルト体系と自然演繹体系とシークエント体系の関係がこれほどコンパクトにまとまっている本はこの本以外知らない. 

Mathematical Logic (English Edition)

Mathematical Logic (English Edition)

 

 古い本. Set theoryらへんはもう使い物にならないって聞いた. でも, おぉってなること多いからじっくり読んでる. 後, 田中一之先生はこの本がものすごい好きらしい. 

  • H.Enderton, ``A Mathematical Introduction to Logic''

   アメリカの標準的なLogicの教科書らしい. それ以上詳しくは知らない(誰か誕生日プレゼントにくれ).

2021/01/02 追記

知らないうちに Kindle 本が出ていた.理屈はわからないが原書の半分近くの値段になっている.

また,最近日本語訳が出版された.こちらも理屈はわからないが原書の半分近くの値段になっている.

論理学への数学的手引き

論理学への数学的手引き

 

 

  •  Kenneth Kunen, "The Foundation of Mathematics", IfColog
The Foundations of Mathematics (Studies in Logic: Mathematical Logic and Foundations)

The Foundations of Mathematics (Studies in Logic: Mathematical Logic and Foundations)

  • 作者:Kunen, Kenneth
  • 発売日: 2009/09/08
  • メディア: ペーパーバック
 

 

 数学基礎論って要は数理論理学のことじゃないかと思っているので, ここに. 

 ベットで横になりながらだらだら読んでいる. 

 最近, 日本語訳も出た. 

キューネン数学基礎論講義

キューネン数学基礎論講義

 

 

2. 不完全性定理

 不完全性定理周りは悪書がともかく多い. 

 ひどすぎるわりに有名なやつはいくつか晒していくことにする(まじめな初学者の混乱を防ぐため). 

 不完全性定理周り悪書リスト(2016年10月4日最終更新)

  • 竹内薫不完全性定理とはなにか』講談社
    • 明らかに必要最低限のことも理解できていないまま書いている. ベン図をわざわざ書いてストラクチャを定めず真偽を議論し始めた瞬間, この本をぶん投げた. 有名なサイエンスライターの本だが, こういう悪質な本を書くのはいかがなものかと思う. 

 以上

以下はまともな本. 

不完全性定理

不完全性定理

  • 作者:菊池 誠
  • 発売日: 2014/10/23
  • メディア: 単行本
 

 

  不完全性定理周りの決定版らしい. 著者と話したことがあるがいい人でした. いろいろあって, 手に入れそびれている(誕生日ry). 手に入れたんですが積んでる(2020/9/15 追記)

3. モデル理論

 かなり重要な分野のはずだが, 僕の不勉強で一冊ぐらいしか知らない......

 (申し訳ない

  モデル理論の定評のある教科書らしい. 

4. 集合論

  • K.Kunen, ``Set Theory'', IfColog 
Set Theory (Studies in Logic: Mathematical Logic and Foundations)

Set Theory (Studies in Logic: Mathematical Logic and Foundations)

  • 作者:Kunen, Kenneth
  • 発売日: 2011/11/02
  • メディア: ペーパーバック
 

   公理的集合論の本. または, 強制法(Forcing)の本. 最近版が変わって内容がいくつか入れ替えられたらしい. 

 旧版は日本語訳が出ている. 

集合論―独立性証明への案内

集合論―独立性証明への案内

 
  •   Krzysztof Ciesielski, Set Theory for the Working Mathematician (London Mathematical Society Student Texts), Cambridge University Press
Set Theory for the Working Mathematician (London Mathematical Society Student Texts)
 

 某所で見かけたのでパラパラとめくってみた本.ぱっと見読みやすそう(2020/9/15 追記).

 

5.証明論 

  • Takeuchi Gaishi, Proof Theory: Second Edition (Dover Books on Mathematics), Dover Publications 
Proof Theory: Second Edition (Dover Books on Mathematics)

Proof Theory: Second Edition (Dover Books on Mathematics)

  • 作者:Takeuti, Gaisi
  • 発売日: 2013/02/20
  • メディア: ペーパーバック
 

 

6. 様相論理

  •  M. J. Cresswell, G. E. Hughes, "A New Introduction to Modal Logic", Routledge
    A New Introduction to Modal Logic

    A New Introduction to Modal Logic

    • 作者:Cresswell, M. J.
    • 発売日: 1996/08/15
    • メディア: ペーパーバック
     

     様相論理の教科書. 読まなきゃ......

7. 周辺領域

 

おまけ

 この記事を以下の記事で紹介していただきました*1. ここに書いてある本以外にもいくつか論理学の本が上がっているので, 興味がある方は覗いてみるとよいと思います. 

mathcafe-japan.hatenadiary.com

 

(2020/9/15 追記)

こちらのページでこの記事を紹介していただきました.

taurus.ics.nara-wu.ac.jp

こちらは現役の論理学者による書評のページです(この記事よりも正確性は高いと考えられる).

鴨先生ありがとうございます.

 

(2020/9/15 さらに追記)

鴨先生の「互いに宣伝し合えば多少は目に数学コンテンツに目を触れる人が増えるはず」という意見に賛同したので,Mathpedia の数理論理学の参考書のページもこちらに貼らせていただきます.正直こちらのページの方がこの記事よりも網羅的です.

mathematicspedia.com

 

*1:というか, この記事自体, 数学カフェさんのTwitterでのつぶやきをきっかけに書くことを思い立ちました.