シン・ゴジラを最初に見てから数週間がたとうとしている.
結局, 3回ほど見てしまった.
正直, 最初は圧倒されすぎて感想を言葉にすることが困難だったが, 3回目の視聴を経てようやく, 感想を言葉にできそうな気配がしてきている.
今回はそんな, わたしの感想のようなものを垂れ流そうと思う.
この映画で最も圧倒されたのは, その作りこみの深さだ. というよりも「虚構にいかにしてリアルを持ち込むか」ということに対するこだわりであろうか.
この映画を見ながら私が一番に考えたこと. それは
ゴジラが攻めて来たら, どこに逃げよう?
であった.
この映画は, 「ゴジラ」という日本で最も有名な「虚構」を「現実」に持ち込んだ作品である.
たとえば, 怪獣映画ではおなじみの自衛隊の出動であるが, 劇中ではどのような解釈で自衛隊を出動させるか悩むシーンが存在する. 法律は門外漢なので詳しくないが, どうもどの解釈で出動するかによって, 自衛隊のできることに差があるようだ.
そういった細かな「現実の壁」を象徴するシーンは挙げるときりがないので止めておくが, こういったシーンの積み重ねが我々に「これは現実ではないのか」という錯覚を与える. この「虚構」と「現実」の壁の「破壊」こそがこの映画の真骨頂だ.
その壁が壊されたからこそ, わたしは思う.
ゴジラが攻めて来たらどこに逃げよう.
そういった意味でこの映画は「怪獣映画」ファンにはお勧めできないかもしれない. この映画は「怪獣プロレス」をみるための映画ではないのだ.
庵野監督自身としては「現在の東京でゴジラを暴れさせたい」という欲求で作った作品なのだろうが, もはや作品はその手を離れ, それこそこの映画の「ゴジラ」のように個々人の中に「進化」し入り込んでいく.
もう一度あの言葉を叫びたい.
シン・ゴジラはいいぞ
庵野監督ありがとう. スタッフのみなさん, ありがとう. キャストの皆さんありがとう.
皆様に円谷魂の栄光あれ!