どうも仮面の日曜数学者です.
前回変な記事を書いたおかげでいろいろ吹っ切れて感じるままに記事書くかと開き直ったら気が楽になりました. ブログって元々日記を公開することで自己顕示欲を満たすためのツールですよねっ!←たぶん違う.
さてさて, この前知り合いの日曜数学者が「難しい数学に手を出したいけど, どこから手を出せばよいかわからん」という発言を某生放送でしていて「あぁ, なるほどな. 好きなところから手を出せばいいと思うんだよな. でも, 数学の世界広すぎてどこから手をだせばいいかわからんのも一理あるな」という感想を抱いてたのですが, そんな折, 某W大のセンセイ某SNSで「数学書を軽く読むのに必要な基礎力は『微積分』と『線形代数』である」という趣旨の発言をされていて, 「なるほど確かに. 何から始めればわからないマンはその辺からやればよいのかぁ. じゃあどういう本を読めばいいかのまとめとか作ったら喜んでもらえるかなぁ」という気分になりました.
まぁ, そういったことをやるには僕は適切な人間か怪しいですが, たたき台ぐらいにはなるだろうと思うのでとりあえず作ってみました*1. おかしなところや「いやこれも上げろや」というテキストがあれば指摘をお願いします.
そんなわけで解析弱者による「日曜数学者のための入門書まとめ―微積分編―」のはじまりはじまり*2.
と言っても「微積分」の本は星の数ほど出ているかと思うので以下の条件で絞り込みました.
(1) 和書であること*3.
(2) 「入門書」であること. すなわち前提知識が高校数学程度のもの.
(3) ある程度の定評があるもの(つまり私が評判を聞いたことがあるか実際に読んだことのあるもの).
(4) 高木貞治の『解析概論』と同程度の内容であると推測されるもの.
(4)は冒頭の話に出ていた某先生の推薦書が高木貞治の『解析概論』だったからですね.
以下の順番は思いついた順なので, おすすめ順とかではありません. 好みの問題があると思うので, 自分が良いと思うものを選べばよいと思います. 読み比べると面白いかもしてません.
おそらく, 日本の解析学入門の祖みたいな存在の本ですね. 以下に挙げる本のほとんどすべての参考文献に上がっていたイメージがあります. 高木貞治先生の著作権は切れている*4はずなので, オープンソース化されているかと思っていたのですが, まだのようです. 一応下のようなプロジェクトは始まっているようであります.
Wikisource:高木貞治プロジェクト - Wikisource
高木先生は他にも整数論の本を書いていらっしゃることで有名ですね. こちらは上記のプロジェクトに一部内容が上がっています.
一応参考のため.
小平解析と呼ばれることもあるシリーズ. 高木先生の本は「実数の構成」については付録に回していらっしゃったのですが, 小平先生は「Dedekind Cut」を使って「実数を構成」していらっしゃいます. 大学に入って初めて買った解析学の本だった記憶はあるのですが, いつのまにかどこかへ行ってしまいました(). ←おい
たぶん, 僕の部屋のどこかにはまだあると思うのですが......
確かLebesgue積分だけは載っていなかったので他の本を参照する必要があるかと思います.
[3]杉浦光夫『解析入門』東京大学出版
みんな大好き杉浦解析です. 初等解析に関してはこの本に載っていることで大概解決する説ある. 通しで読むにはかなりの力が必要かと思いますが, 辞書として使うのもありかもしれません. この本では実数を公理的に扱っています. すなわち「連続性を持つ順序体」として「実数」が同型を除いて一意に定義されています.
最近この本をキチンと読み込まないとなぁという機運が高まっています.
Riemann積分を主に扱っているので, Lebesgue積分については他の本をあたる必要があります.
この本だけキチンと目を通したことがありません. 本屋でチラ見をした程度です. ただすごい読みやすかったイメージがあります. 数学系ではない友人Aに「微積分学」の本のおすすめを求められたときに, 適切な本が思いつかなかった私が, 他の数学系の友人Bに相談した際, Bに推薦された記憶があります.
こんなところでしょうか......
他に良い本があれば教えてください.
最後に「たくさん本を知っている奴は数学できないことが多い」というある人に言われた金言を残しておしまいにしたいと思います. ありがとうございました.