Sokratesさんの備忘録ないし雑記帳

思考の流し台. 駄文注意.

夏休みだ. 読書感想文だ! 小中高生向け数学書紹介だ!!

 仮面の日曜数学者です. 

 世間ではそろそろ夏休みのようです. 私はむしろこの時期がもっとも忙しかったりするので, 夏休みは苦しい季節だったりします.......

 

 さて, そろそろ小中高生が読書感想文などに悩み始める時期かなぁ, ということでそんな子供たちのための数学書を並べてみようと思います. 読書感想文に悩んでいる理系っ子よ, 頑張れ! 

 今回は次のような基準で本を選びました. 

1. 小学生, 中学生, 高校生が読んで(たぶん)わかりそうなもの. 

2. 自分が読んだことのあるもの(またはそのリメイク, 再販)

3. マンガではない本(現状, マンガを学校の宿題に採用することを渋る教師が多いことを鑑みて......)

 それじゃあ, 張り切っていきましょう! 

(疲れすぎてテンションがおかしい.

 

【小学生~中学生くらい向け】

数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜

数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜

 

  子供のころに読んで楽しかった本です. 確か小学生のときに通っていた塾の本棚に紛れ込んでいたのを貸してもらって読んだのがファーストコンタクトです. この本と同じくらいの時期に父が買ってきたマンガ おはなし数学史―これなら読める!これならわかる! (ブルーバックス)*1の2冊が自分の数学好きの原点かもしれません. 

 赤い悪魔に導かれて, ロバート君が数学の世界を探検する話です. 

 登場する用語が独特で, ルートを「大根を抜く」と表現していたりします. 何となくですが「点の代わりに椅子, 直線の代わりに机, 球面の代わりにビールと呼ぶことにしても幾何学はできる」と宣言したヒルベルト形式主義のにおいを感じます(知ったかぶり). 

 用語はともかく内容の一部は高校以上のことに触れていたりしますね. なぜか$1+1=2$のラッセルの証明(を試みた跡)が載っているし......

 実家を出るときに父にねだって買ってもらったモノを売ってしまったのですが, 数年前, 本屋で見かけて懐かしくなりつい自分のお給料で買ってしまいました. 

 

【中学生向け】

はじめまして数学 リメイク

はじめまして数学 リメイク

 

 この本のリメイク前の本を全巻中学生の時に読みました. 当時は寝る間も惜しんで夢中になって読んだ記憶があります. 

 数の直感的「イメージ」から始まり, 記数法などの話やベクトルを使った足し算引き算のイメージの話, 虚数の話などをへて可算濃度の話にたどり着きます. 

 一部表現に誤解を招きそうだと感じる箇所がいくつかありますが, そういった箇所を自分で探すのも勉強かもしれません. 

 

【中学生~高校生向け】

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

 

  言わずと知れたサイモン・シンの名著ですね. ちょっとページ数が多いので読むのが大変ですが, 読書感想文の題材としては良いかも. 

 幾人もの数学者を歴史の闇に葬ると共に数学の歴史を大きく動かしたフェルマー予想が解かれるまでの過程を書いた本です. 

 同じ作者の次のシリーズも読書感想文の題材としては良いかもしれません. 

 こちらは我々の生活を支える「暗号」の話です. 

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

 

 

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

 

 

【中学生~高校生向け】*2

文庫 放浪の天才数学者エルデシュ (草思社文庫)

文庫 放浪の天才数学者エルデシュ (草思社文庫)

 

 

放浪の天才数学者エルデシュ

放浪の天才数学者エルデシュ

 

  

ガロア―天才数学者の生涯 (中公新書)

ガロア―天才数学者の生涯 (中公新書)

 

 

ビューティフル・マインド: 天才数学者の絶望と奇跡 (新潮文庫)

ビューティフル・マインド: 天才数学者の絶望と奇跡 (新潮文庫)

 

 

 数学者の伝記シリーズ. このあたりしかぱっと思いつかなかったけれど他にもたくさんありそうです.  これらも読書感想文にぴったりです. 

 ただ, ガロア周辺の伝記シリーズは注意深く選んだ方が良いです. 悪名高い数学をつくった人びと (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)のシリーズの誤った記述を真に受けて書かれた本も多いからです. 

 特にコーシーがガロアを評価していなかったという記述がある本は間違いなく誤りです. コーシーがガロアを高く評価していたという記述のある手紙が発見されていますので......

 

【高校生向け】

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

 

 高校生, 読書感想文あるのかなとも思うのですが, 一応.

 結城先生の有名な本ですね. いまだに続編が書かれているのでやはり人気があるのでしょう. 個人的には一番最初の巻が読んでいて一番面白かったです. 

 内容は主人公の「ぼく」が「ミルカさん」という美人天才女子高生と「テトラちゃん」というかわいい後輩といちゃいちゃしながら数学をする話です(我ながら身もふたもない説明. 結城先生ごめんなさい......). 

 たまにこのストーリーが邪魔になる程度に「数学」の部分は結構しっかりしています. 

 

【高校生向け】

オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ

オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ

 

 みんな大好きオイラーの公式\[e^{i\theta}=\cos\theta +i\sin\theta\]の高校生向けの解説本ですね. 文庫版で持っています. 

 電卓周りの記述は正直蛇足だなと思うし, 人類の至宝は$e^{i\theta}=\cos\theta +i\sin\theta$であって, $e^{i\pi}=-1$はそこから自明に出てくる式なのでなんだかなぁという気もしますが, 入り口としては良いでしょう. 

 読んだことはないですが下の本も同著者では有名ですね. 分厚すぎて読む気が起こらなかったが......

虚数の情緒―中学生からの全方位独学法

虚数の情緒―中学生からの全方位独学法

 

 

【番外】

円周率1000000桁表

円周率1000000桁表

 

    「数表で読書感想文かけるか!!」と思うのですが, ここの出版社なぜかこの本で読書感想文を募集していたりします. 

15/05/27:円周率100万桁表読書感想文コンクールについて :暗黒通信団

 誰が募集するんだろうと思っていたら, 募集があったみたいで驚きです. 物好きだなぁ. 

 ここの出版する本で高校生でも読めそうな本が一冊だけあったのでそちらも紹介しておきましょう. これを読書感想文に使うのもありかも. 怪しい名前の団体から出ているけど, 内容に変なところはないです. あるとしても誤植くらいです. 

整数論のための前菜

整数論のための前菜

 

 

 僕に思いつくのはこのぐらいです. 結構自分にとって懐かしい本が結構ありました. これ以外にも良い本はきっとありますから, 本屋に行って探すなりAmazonのサジェストに従うなりすると良いと思います. 

 それでは小中高生の皆さん, 宿題頑張ってください! おじさんも陰ながら応援しています. さよなら. さよなら. さよなら. 

*1:マンガなので今回は除外......

*2:小学生向けにしようか迷ったのですが, ここに挙げた本は小学生向けとは言い難いのでこれで......